2010年7月21日水曜日

【論文】Two-way Coupling of Fluids to Rigid and Deformable Solids and Shells


Fedkiwらによる、固液連成系のアニメーションについての2008年の論文である。

著者らによると、この論文で提案されている手法には以下の特徴がある。
  • 流体にオイラー法、固体にラグランジュ法を用いる
  • 完全な陰解法
  • 系の運動量が保存される
  • カルテシアン座標を使用
流体にオイラー法、固体にラグランジュ法を用いるという典型的なアプローチをとりながらも、従来手法と違い、系の運動量が保存されるという。

また、完全な陰解法のため時間が経った後や大きな密度比があるような場合でも安定した結果が得られる。

さらに、座標系にはカルテシアン座標を用いるため、四面体メッシュやALEが必要ない。

この方法は非常に汎用的で、煙、水、多相流体、剛体、弾性体、布やシェル状の物体にも適用できるという。

関連研究としてあげられているものに、
  • Yngve et al. 2000
  • Genevanx et al. 2003
  • Carlson et al. 2004
  • Guendelman et al. 2005
  • Losasso et al. 2006a
といった例があるが、これらは、陽解法もしくは半陰解法を使うため、安定性と精度の問題が残るという。

また、
  • Klinger et al. 2006
  • Chentanez et al. 2006
  • Batty et al. 2007
では、完全に陰解法を用いて安定した固液連成シミュレーションを行っているが、シェル状剛体や布には適用できないとのこと。

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